
山田 典生
差玉という思想
パチンコ屋は国民の信頼を裏切った。それは稼動の低下そのものが証明しています。
稼動が低下した理由は最も大切な顧客と店との繋がりを軽んじてきたからです。
つまり商売のあり方が軽薄だったと言い換える事ができますね。
顧客とのつながりは差玉を差し置いて語ることはできません。しかし現実は違いました。
差玉とは顧客が打ち込んだ玉と機械が払い出した玉の差数を指します。
マイナス差玉は顧客の財布が潤い、プラス差玉は会社の金庫に金が貯まる。言ってみれば
ただそれだけの単純な項目です。これは顧客がジェットカウンターに流した出玉とは
考え方として一線を画すべきだと授業では伝えます。そしてこの差玉こそが唯一の顧客との接点であるということも忘れず強調するわけです。
しかし今の機械はスタートの調整だけでは出玉率や確率を変える事ができません。だから釘の重要度は低いのではないか。という意見もしばしば耳にします。悲しいことにそのような発言を経営者の方から聞く事があるのも事実です。ここに国民を裏切った歴史の第一章が始まったと私は思います。
言ってみれば明日の出玉率や機械の確率などを予想することほど不確実なことは
ありません。殆どの店長がそこに不安や恐怖を抱いています。やることもせずに、です。
私たちは業界の明日を語る事ができます。しかし一人の力では何も変えられません。
メーカーの不誠実さや怠慢をなじる事ができます。が、なんの影響力も持ちません。
しかし今日、そして今やれることはあります。顧客と私たちを結ぶ差玉をつくることです。
できなくてもいいから、試行錯誤して創意工夫して失敗を重ねながら日々を過ごすことです。一朝一夕にはことはなりませんが、その努力はいつか必ず報われます。それは今の仕事を変わったとしても自分の努力は自らの人生においていつか実を結ぶのです。
だからホールで仕事をされている方は差玉を自らの手でつくれるよう技術を磨いて下さい。
知識も必要です。その努力無くして稼動の上昇などあるはずもありません。
顧客の嘆きを知らんふりせずその原因を突き止めることです。
これが差玉の思想です。思想なき商売は成り立たないことを覚えておいて下さい。